こんにちは、カイトです。
みなさん電磁気学を勉強するうえで、真電荷と分極電荷について違いを意識したことはありますか?
どちらとも、名前は何となく聞いたことがあるけど、あまり違いを意識したことがない……!
そんな方も多いと思います。
僕自身そうでした。
しかし、この違いを理解しておくことで、電磁気への理解度がグッと高まります。
この記事では、真電荷と分極電荷について、その違いについて、具体的な例も交えながらわかりやすく解説していきます!
この記事で学べること。
・真電荷と分極電荷がわかる。
・電磁気の問題を解くうえで、理解の助けになる。
・導体と誘電体を理解導体と誘電体を理解するのにも役立つ。
電荷は2種類ある!
電荷は2種類ある!
こういわれて、みなさんはピンときますか?
正電荷と負電荷の2種類かな?
ここでいう2種類とは、+と-ということではありません。
そもそもの分類として、2種類あるということです。
そしておそらくみなさんは、その2種類の電荷を問題に応じて無意識に使い分けています。
真電荷と分極電荷。
まずはそれぞれの意味を解説していきます。
真電荷
真電荷は、自由に取り出すことが出来る電荷のことを言います。
ミクロな視点で見ると、真電荷は導体内で電子が過剰に存在していたり、電子が入り込めるような隙間があるとき、電子や正孔として考えることが出来ます。
この真電荷が原子同士を移動していくことで電流は流れていきます。
また導体内では、外部導線から電子や正孔が入ったり出たりすることで、導体同士で極性をつくったりして電界を発生させます。(いわゆるコンデンサのことです。)
分極電荷
続いて、分極電荷についてみていきます。
分極電荷は、電気分極(誘電分極ともいう。)によって生じる電荷のことです。
みなさん電気分極はどういうものか、覚えていますか?
外部との電子のやり取りがない、誘電体(絶縁体ともいう)に、正電荷あるいは負電荷を近づけるとどうなるでしょう?
誘電体自体は中性ですが、外部から電界を加えると、誘電体内の電気双極子がトルクを発生させて回転します。
結果、全体として内部電界を持つようになります。(この現象を分極と言います。)
電気分極は、必ず外部電界とは逆向きに発生するため、電界を弱める働きをします。
また、誘電体内で外部電界をどれだけ弱めたかを表す係数が、誘電率と呼ばれます。
真電荷と分極電荷をどう使い分けている??
ここまで、真電荷と分極電荷について、その違いについてみてきました。
それぞれ、説明を聞けば、「確かに!なるほどな~」となった人も多いと思います。
そんな真電荷と分極電荷。それではどういうときに真電荷を、あるいは分極電荷を考えるのでしょうか?
前章でも述べた通り、真電荷は基本的に導体内の電子(あるいは正孔)に対して考えることが多いです。
具体的には、クーロンの法則やガウスの法則、その点電荷から生じる電界や電束、電位を求める際に用います。
わかりやすいように、一対の点電荷について考えるのがクーロンの法則でしたよね。
一方の分極電荷は、導体や誘電体を用いて、コンデンサを作るような問題で特に重要になってきます。
具体的には、平行コンデンサの極板間に誘電体を挿入したり、球殻コンデンサ内を誘電率εの物体で満たすような問題。
このような問題内では、電気分極が発生していて、分極電荷を扱います。
誘電体内は、誘電分極の影響で外部電界は逆向きの電界を生じるため、誘電体内部の電界は弱められます。
さてここまで、導体や誘電体が出てきましたが、みなさんこの二つの違いは理解できていますが?
メモ
導体と誘電体については、以下の記事で詳しく解説してます。
あわせて確認してみてください!
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【電磁気学】導体と誘電体の違い。
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ここまでわかれば、導体や誘電体に関してもかなり理解が深まると思います!
まとめ
ということで、この記事では真電荷と分極電荷について解説しました。
まとめ
・電荷には真電荷と分極電荷が存在する。
・真電荷は自由に取り出せる電荷のことで、単体で考えることができる。
・分極電荷は電気分極によって生じる電荷のことで、分子内から飛び出ることない(束縛されている)。
・僕たちは状況に応じて、真電荷と分極電荷を使い分けている。
非常に基本的な内容ですが、電磁気学を学ぶうえでかなり本質的で、色々な問題を解いていく上でも土台となっていく知識です。
これを機会に、しっかり理解しておきましょう!