こんにちは、カイトです。
みなさんは物理を勉強するうえで、”場”の概念を意識したことはありますか?
重力場、電場、磁場、……
”場”はその空間での力の働き方に大きく影響を与える重要な概念です。
今回は、重力場と比較しながら2つの電場のパターンについて解説していきます!
この記事で学べること。
・場の概念がわかる。
・電場と重力場の違いがわかる。
・2種類の電場がわかる。
重力場と電場
上の写真がすべてを物語っていますが、重力場と電場は共通点が多いですよね。
重力場と電場の相関関係。
重力加速度g⇔電場E
質量m⇔電荷q
この共通点から重力場と電場を比較しながら考えることで、目では見えない電気の世界がわかりやすくなるはずです。
しかし、重力場と電場、すべてが同じではありません。
重力場と電場での異なる点はどこでしょうか?
まず挙げられるのは、質量mは大きさを表す量で常に正であるのに対して、電荷qには正負があるという点です。
これはすぐにわかると思います。
qそのものに符号があるということは、電荷に働く力が電場に対して常に同じ向きではないということです。
上の図にもあるように、負電荷の場合は電荷に働く仕事はマイナスになります。
この電場と重力場に関して、もう一つ大きな違いがあります。
それは何でしょうか?
それは、電場は2種類あるという点です。
上の例では電場が一様に広がっています。
メモ
一定方向に一様に広がる電場は、極板を平行に並べた、平行コンデンサを作れば実現できます。
ですが実は一様に広がっていない電場も存在します。
この電場の違いについて、次章以降で解説していきます。
2種類の電場
ここからは、二種類の電場について紹介していきます。
電場を考えるうえで一つ意識して欲しいのが、電場を作る源となっているのもまた、電荷である、という点です。
電場は基本的に、電荷によって生じますよね?
電場の向きは、電気力線なんかを用いると、わかりやすく可視化できると思います。
一方で、電荷は重力場でいう、質量。
なので電荷は、もちろん仕事が働く対象としても機能しています。
一方の重力場ではどうですか?
重力場での質量mは、重力加速度gを生み出す要因とはならないですよね。
この、電荷の二面性についても、少し頭に入れて置くといいと思います。
それではそんな電場について、2種類の場合を見ていきます。
一様な静電場
まず紹介するのは、一様な静電場です。
これは、先ほどの例でも出した、極板を平行に並べたときに発生する電場です。
このときは、前章の例でも触れたように、重力場と非常に似た形を取っているので、比較的に現象が考えやすいと思います。
クーロン場
続いて、クーロン場についてみていきます。
クーロン場とは、クーロン力が働く電場のことを言います。
メモ
電荷は、磁荷とは異なり、正電荷と負電荷がそれぞれ、単独で存在できる素子ですよね。
ここら辺に関しては、以下の記事に詳しく解説しているので、是非チェックしてみてください!
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空間上にこのように任意の点電荷を、電界を生じさせる源として置いたとき、電界はどうなりますか??
仕事は、電界の向きに働きますよね。
クーロン場では点電荷を置く場所によって働く力の向きが大きく異なります。
上のイラストからも、電荷を置く場所によって働く力の向きが異なることが良くわかると思います。
そしてこの違いが、電位と電位差を考えるうえで、大きな違いを生むんです。
二つの電場によって、電位の取り方が変わってくる?
一般的に電位差は、以下の式で表されます。
メモ
電位と電位差については、以下の記事で詳しく解説しています。是非合わせて確認してみてください!
ここまでは、大丈夫だと思います。
それでは、電位はどうなるでしょうか?
電位を考える際は、基準となる点を0[V]とおいて、そこからの電位差を考えます。
電位差の式において、Bの基準点が0[V]になるように設定するわけです。
そしてこの基準面の置き方が、一様な静電場かクーロン場かで変わってくるんです!!!
今までこんなことを意識したことはありましたか???
・一様な静電場→指定された面を基準として、0[V]とする。
・クーロン場→∞を基準として、0[V]とする。
違いをイラストにまとめてみました。
みなさんはおそらく問題演習を通じて、Eが一定のときの電位の式と、Eが一定でないときの電位の式を使い分けているはずです。
しかしこうやって比較してみると、2つの電場では電位が全然違うとわかったのではないでしょうか。
まとめ
ここまで2つの電場についてみてきました。
まとめ
・電場と重力場では、質量は正のみなのに対して、電荷は正負があるという違いがある。
・電場は、一定方向に一様に広がる場と、クーロン場が存在する。
2つの電場の存在は知っていても、意識して使い分けている人は少なかったのではないでしょうか?
ここを理解しておくことは、電位の深い理解にもつながります。
メモ
電位については、以下の記事でまとめています。
併せて、チェックしておきましょう!
是非、しっかり理解しておきましょう!
参考文献
・要点がわかる 電磁気学 / 著.石井望 (コロナ社)
・ベーシック電磁気学 / 著.川辺哲次 (裳華房)